hysysk:old

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水曜日, 9月 06, 2006

mapping sound installation

山口情報芸術センター(YCAM)で行われている
MAPPING SOUND INSTALLATION
という展覧会の、autonomic sound sphereという作品に参加しています。

3つのインタラクティブな音響作品を連携させ、YCAM館内で自律的に音響を
発生させる装置を作りました。公共空間でしかも長期間の展示ということで、
インタラクティブ作品の難しさを思い知ったところです。と同時に可能性も
感じていて、作品制作を通じて場の特性を掴む事ができたり、予想外のこと
が起こったりと制作自体がとてもインタラクティブに進む面白さを実感でき
ました。

複数のマイクの入力から大きい値をとって、その位置に対応したスピーカー
へ音像を移動させたり、12個の格子状のスピーカーを使って仮想的にボール
が弾んでいたりといった仕組みを考えて設置というのは割と多岐に渡る技術
が必要で、単純なことしかしてないのですが大変でした。

そんで出音が良くないと全然駄目だし。

とりあえずMax/MSPのテクニックはあがったと思います。
というよりも自分が何にも理解してなかったんだってことに気付けました。

あと第三項音楽がやろうとしてることが結構理解できました。
サイン波を最小単位としてしまうことで抜け落ちてしまうものや、
何となくランダムで適当に音を作ることのまずさに意識的で、
音とか映像を一旦データの部分まで引き戻して、そいつをどう出力するか
っていうところで色々と理論を組み立てている訳です。

多分僕らの問題意識に何となくあったことを精緻に言語化してるんだと思う。
音系のインスタレーションとかって本当に安易にホワイトノイズがサーって
鳴ってチリチリ...っていっててサイン波がピーとかいってるの多いし。
解像度を上げるとっかかりを掴めた気がします。

特に池上さんがおっしゃっている、アンチストーリーテリング的な、瞬間
瞬間の積み重ねで全体を作り上げるということは自分の感覚ととても近い
です。何か、いい音が鳴ってたら、いわゆる「曲」になってなくてもそれで
いいなぁと、よく思うのです。洗濯機の音がいいなぁとか。
それをどう、アートとして成立させるか。
>茂木さんとの芸大での講義

とにかく渋谷さん池上さんのfilmachineは凄いです。
圧倒的に強度があります。

あとは本当にYCAMのスタッフの皆さんの凄さにびっくりしました。
作れないものなんてないんじゃないかというくらい。

知性の面でも技術の面でもまだまだ先は長いなっていうのに途方に暮れつつ、
謙虚に少しずつでも勉強していこうと思いました。