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日曜日, 12月 18, 2005

microsound resume1

chapter 1 p1-p20

要約
音楽表現の進歩は器楽の発展とともにあった.
この章ではマイクロタイムスケールとその他の時間長の
相互作用を評価していく.

音楽の時間長

音楽理論は作曲における現代の階層構造に気付いていた.
異なる時間長の構造間の相互作用をいかに構成するかが
中心的な問題.最上層から最下層の個々のノートへ.

しかしこの階層は完璧ではない.

素粒子などのマイクロソニックヒエラルキーは長く不可視だった.
無限大から無限小まで.

9つの分類(長いものから)
1.Infinite 古典的なフーリエ解析のサイン波のような理想的な
数学的時間長
2.Supra 個々の音楽作品以上で,月,年,10年,世紀まで拡張
3.Macro 音楽の構造や形式全て.分,時間.極端な場合,日.
4.Meso 形式の区分.分や秒で異なるサイズのフレーズ構造の
階層にグループ分けされたサウンドオブジェクト.
5.Sound object 音楽の構造の基本ユニット.伝統的なノートと
複雑で変化する一秒から数秒の音を含む.
6.Micro 音の粒子.人間が認識できない時間長.1000分の1秒以下.
7.Sample 原子レベルの音.100万分の1秒(microseconds).
8.Subsample 変動する時間長.短すぎて正しく録音,認識できない.
1億分の1秒(nanoseconds)かそれ以下.
9.Infinitesimal 無限に短い三角関数のような理想的な数学的
時間長.

時間長間の境界
音が一つの時間からもう一つの時間へと移るにつれ,認識の境界
を横切る.人間の認知のプロセスはそれぞれの時間長によって
異なるので,質が変わる.
同じ音の時間長を変えると,波形は同じだが,聴感上は同じ系統
であると分類することは難しいだろう.

時間長の聴き分けは訓練と文化状況によって可能になる.

CDのようなデジタルオーディオシステムは,固定されたサンプリング
周波数で操作されている.これでサンプルタイムスケールとサブ
サンプルタイムスケールの境界を判別しやすくなった.
→ナイキスト周波数もしくはサンプリング周波数の2分の1.

ある時間長の境界線はコンテキストに依存する.

時間長は連結している.ひとつのレベルを操作すると他の
レベルにも影響する.
しかし異なる時間長の相互作用は単純ではない.
線的な変化は隣り合った時間長の認識を保証しない.

強度と周波数の範囲
"sound"とは空気による聴覚の現象だけでなく,”類似した
物理的な基本原則に支配された全てのもの(Pierce 1994)”
まで言及する.
音は一般的には媒質が圧迫された波によって送られる物理的
な放射状の力として定義されうる.

音響学の章では空気と人間の知覚から独立している.
視覚とは区別され,物理的ーというよりは電磁気のー波の
動きを含む.

オーディオの周波数であり,人間の耳が聴き取れる範囲は
伝統的に20ヘルツから20キロヘルツといわれる.
これには個人差がある.

連続した音としては低すぎて聴こえない振動は,耳だけで
なく身体で認識される.

超音波は人間が聴こえない範囲の高い周波数を含む.
その閾値は個人差,年齢,テスト状態,技術やアプリ
ケーションの違いによって様々.

ソフト過ぎる音,芋虫が葉の上を行進する音などは
subsonicの範囲.大きすぎる音は人体に有害である.
120dB周辺で直接的な痛み,失聴.130dB以上だと痛みを
感じる程圧力のかかった波.破壊的音響現象.爆発.
音響衝撃波.
perisonic = dangerous

Figure1.2は音の強度と周波数の範囲を描写している.
αゾーンは周波数と強度が交差する範囲.広大な音響現象
の中のほんのわずか.

Infinite Time Scale
複雑なフーリエ解析は信号を永遠の相の下とみなす
(Gabor 1952)

Supra Time Scale
最も長い曲が終わって拍手が鳴り止んでから週,月,年,
10年,世紀,それ以上.
コンサートやフェスティバルはこの範疇.

作曲家が実験に使う時間,ドキュメンテーションを理解する
こと,などと即興演奏を比べてみよ!

音楽の寿命は短い.

人間存在の最後の痕跡は宇宙に放たれたラジオ波で,ノイズ
となって消えるまで広大な距離を旅するだろう.

Macro Time Scale
形式の概念,構造を含む.およそ数分.
上限は例としてオペラや歌舞伎.
平均16分40秒=1000秒
1分40秒=100秒で終わる曲は珍しい

○Macro Time Scaleの知覚
音楽の形式が演奏の前に記述されない限り(プログラム
ノートなど),聴衆はMacro Time Scaleを想起によって知覚する.

人間の時間の流れに関する記憶は感情に依存する.
また,音素材のobjetive nature?にも依存する.
反復と規則正しいパルスは効果的に流れを変えられる.

○Macro形式
音楽の構造を数学的に捉えると樹形図になる.
一番上がルートで,作品全体の表象.
二番目のマクロ構造=形式のレイヤーを操作することが
作品のメインとなる.

コンパイラは曖昧さのない形式的な文法を参照するが,
音楽の文法は曖昧である.作曲は要素のオーバーラップを含み,
分類が難しい.階層はしばしば破壊される.

○Macro形式のデザイン
トップダウン...全体的な計画,テンプレートから作る.
Debussyがテンプレートを破壊.
ボトムアップ...低い階層での構造の相互作用から全体が決まっていく.
"Form is a result-the result of a process"-Edgar Varese

フーガは形式か過程か?
究極的には,形式と過程は1つの概念の2つの側面である.

Meso Time Scale
旋律,和声,対位法などはこの階層.

○音の塊,質感,クラウド
クラウドの進歩
振幅,テンポの内部,濃度,調和,スペクトル

クラウドの分類
Cumulus 積雲 カリフラワーのような形で,綿のような雲
Stratocumulus 層積雲 風の動きでぼやけている
Stratus 層雲 厚い断片の層.しばしば半透明
Nimbostratus 乱層雲 広がった灰色、白色のシート.
くすんでいる.
Cirrus 巻雲 繊維のように発展して孤立したシーツ.

音楽的アナロジー
MetaSynthなどで視覚→聴覚

Sound Object Time Scale
noteは100msから数秒.楽器やヴォーカリストが歌う.
ミュージックコンクレート開拓者 Pierre Schaffer
純粋なobejct sonore-聴者が起源を識別できない音.
時間の限界に明記された音は全てsound object.
"ministructual"-Xenakis

音色の感覚
音色の感覚は,Sound Object Time Scale上で発生.
連続音の境界は,低周波の場合8Hzから30Hz.
通常オーケストラは一番低いのがEで41.25Hz
(ヘルムホルツ調べ)
24Hzから28Hzの間は連続の感覚が保たれるが,ピッチ感
(音高)は40Hzまで安定しない.ピッチ(音高)と
トーン(音色)は別.連続した音は全て音色として認識される.
ノイズも含む.
連続的な音色の感覚と拍子の感覚は曖昧な範囲に位置している.
超低周波は連続的な音を形成するには遅すぎ,リズムの定義には
早過ぎる.
連続的な音色はSound Objectにとって可能な質であるが必要な値
ではない.
規則的なパルスや拍子は8Hzから0.12Hzとそれ以下.
偶然ではなく,リズミックに感じられる範囲,突出した表現力の
あるヴィブラートやトレモロ,空間のパン効果が起こる範囲である.

同種のNotes 対 異種のSound Objects
SOTSは伝統的な音色と同じ時間長.では,何がSound Objectと
ノートを分けるのか?
→ノートは同種のものの集まりでできている.では,同種とは?
・pitch(音高), 一般的に12平均律のピッチクラス
・timbre(音色), 一般的に12種の異なる楽器。
それぞれ2,3種類のアタックの型が違う。
・dynamic marking, 1から10の異なる相対的なレベル
・duration, 〜100ms(60.M.M.のテンポから32分より少し小さい)
から〜8秒(2つの全音符タイ)

素材を同種の音に制限するのは音楽言語に置いて抽象性と効力を
持たせることができる.移調,編曲,変形,代数学,調性,
対位法,無調,セリエル操作の基礎.
ここ何十年かはMIDIなどで標準化されたノートのシーケンスが
拡張されてきた.やがて西洋的な音楽観の克服から他の音楽文化
と融合.音楽から音響.

Sound Objectは素材に共通するものがない(リンゴとオレンジ)
一般化すると,
1.単一の音として機能する.
2.time-varyingプロパティのためのtime-invarientプロパティを
捨てる.

同じ音はシーケンスの中に置かれ組織されるが,すぐに飽きる.
孤立したインパルスはまばらに散らかったニュートラルサウンド
キャンバスには最も効果的

Sound Objectはさらに細分化できる.microtime scale上でシンセ
ツールを用いて構成,脱構成,再合成可能.

Sound Object Morphology
Sound ObjectについてはシェフェールのBook V(1977)に詳しい.
形態学を借用したSound Objectの形式と進化.
harmonic(spectrum)
dynamic(amplitude)
melodic(pitch)

音響形態学はエレクトロアコースティックミュージックにおいて
未だ中心的な理論である(1993)
突然変異の偏在は全ての音響イベントが変化の可能性を秘めて
いることを意味する.