hysysk:old

this blog will not be updated.

火曜日, 9月 26, 2006

technoise

高校の時、物理の授業で「音ってのは波形だから電気的にトランペットと
同じ波形を作ってあげればそれはトランペットの音だよ」とかそういう話を
聴いてえーそれわかるけど違うだろみたいな変な感じを覚えたのがずーっと
ひっかかってたんだけど、どうもアコースティックな楽器と電子楽器の
超えられない壁にテクノイズってのがあるのだろうという風に思った。
テクノイズってのはまぁ色々人によって定義が違うっぽいから難しいけど
音を鳴らす時にどうしてもついてきてしまう雑音、ということにしておきます。
叩かないでね。
楽器を演奏するとなるとトランペットは「吹く」だし、トランペットの音を
キーボードで鳴らすんならそれは「弾く」だから、フーっていう息の音と、
パコンっていう指の音ではやっぱり違ってきてしまう訳です。何か微妙な話
だけれども。そのフーっていうテクノイズ込みの音ってのが、僕の中での
「トランペットの音」っていう認識だったんじゃないかなぁと、今にして
みれば思う訳です。2000年あたりかなぁ。音響派とか盛り上がってたのにね。
田舎の高校生はそんなこと全く知りませんでした。

月曜日, 9月 18, 2006

visual music

Computer Music JournalのWinter 2005での特集。
音と映像のマッピングに関する記事がいくつかあって、
アカデミックなやつなので基本的に音も映像も格好悪いん
だけど、2up technologyのJitterを使ったアプローチは
参考になる。
http://www.2uptech.com/

周波数の高い音と小さい画像、低い音と大きい画像の
組み合わせは、その逆よりも自然。というのは現実世界での
経験と矛盾がないかららしい。そういう印象とか認識の部分
で考えたことはあんまりなかった。独自の物理法則というか、
ある世界を想定した上で音楽なり映像を生成したいと考えて
いるのだけど、生きている世界からの影響についても意識的
でいたい。

水曜日, 9月 06, 2006

mapping sound installation

山口情報芸術センター(YCAM)で行われている
MAPPING SOUND INSTALLATION
という展覧会の、autonomic sound sphereという作品に参加しています。

3つのインタラクティブな音響作品を連携させ、YCAM館内で自律的に音響を
発生させる装置を作りました。公共空間でしかも長期間の展示ということで、
インタラクティブ作品の難しさを思い知ったところです。と同時に可能性も
感じていて、作品制作を通じて場の特性を掴む事ができたり、予想外のこと
が起こったりと制作自体がとてもインタラクティブに進む面白さを実感でき
ました。

複数のマイクの入力から大きい値をとって、その位置に対応したスピーカー
へ音像を移動させたり、12個の格子状のスピーカーを使って仮想的にボール
が弾んでいたりといった仕組みを考えて設置というのは割と多岐に渡る技術
が必要で、単純なことしかしてないのですが大変でした。

そんで出音が良くないと全然駄目だし。

とりあえずMax/MSPのテクニックはあがったと思います。
というよりも自分が何にも理解してなかったんだってことに気付けました。

あと第三項音楽がやろうとしてることが結構理解できました。
サイン波を最小単位としてしまうことで抜け落ちてしまうものや、
何となくランダムで適当に音を作ることのまずさに意識的で、
音とか映像を一旦データの部分まで引き戻して、そいつをどう出力するか
っていうところで色々と理論を組み立てている訳です。

多分僕らの問題意識に何となくあったことを精緻に言語化してるんだと思う。
音系のインスタレーションとかって本当に安易にホワイトノイズがサーって
鳴ってチリチリ...っていっててサイン波がピーとかいってるの多いし。
解像度を上げるとっかかりを掴めた気がします。

特に池上さんがおっしゃっている、アンチストーリーテリング的な、瞬間
瞬間の積み重ねで全体を作り上げるということは自分の感覚ととても近い
です。何か、いい音が鳴ってたら、いわゆる「曲」になってなくてもそれで
いいなぁと、よく思うのです。洗濯機の音がいいなぁとか。
それをどう、アートとして成立させるか。
>茂木さんとの芸大での講義

とにかく渋谷さん池上さんのfilmachineは凄いです。
圧倒的に強度があります。

あとは本当にYCAMのスタッフの皆さんの凄さにびっくりしました。
作れないものなんてないんじゃないかというくらい。

知性の面でも技術の面でもまだまだ先は長いなっていうのに途方に暮れつつ、
謙虚に少しずつでも勉強していこうと思いました。